投稿者: 遠藤たかし

  • 有機農業推進と資源循環

    「郡山循環堆肥事業」の創設を求める政策提言

    郡山市では現在、ごみ減量化や有機農業推進に向けた様々な取組が進められておりますが、さらなる資源循環の推進という観点から、新たな施策の検討を求めます。

    大阪府豊中市では、学校給食の調理くずや食べ残しと、公園・街路樹の剪定枝を原料として堆肥化し、「とよっぴー」という堆肥を製造・配布しています。この取組は20年以上継続され、市民や農家に広く利用されている資源循環の先進事例です。

    私は郡山市においても、

    学校給食センター等から発生する未調理食材残渣
    市場の売れ残り野菜
    農家の未出荷農産物や規格外農産物
    公園や街路樹の剪定枝

    などを活用した「郡山循環堆肥事業」の創設を提案いたします。

    この事業の第一の効果は、ごみの減量化です。

    本来であれば焼却処分される有機資源を堆肥化することで、焼却ごみの削減、処理費用の抑制、さらにはCO₂排出削減にもつながります。

    第二の効果は、有機農業の振興です。

    製造した堆肥を有機農業実践農家、新規就農者、市民農園、学校農園、家庭菜園利用者などへ供給することで、土づくりの基盤強化と有機農業の拡大が期待できます。

    第三の効果は、肥料価格高騰への対策です。

    近年、化学肥料の価格は国際情勢の影響を受け大きく上昇しています。地域で発生する未利用資源を堆肥として循環利用することは、輸入肥料への依存軽減と農業経営の安定化にも寄与します。

    まさにこの取組は、

    「ごみ減量化」「有機農業支援」「肥料価格高騰対策」

    を同時に実現する一石三鳥の政策であります。

    さらに、市民が利用しやすいよう堆肥を5kg、10kg程度に小分けし、市民農園やコミュニティセンター、JA直売所などで提供すれば、家庭菜園を楽しむ市民の皆さんにも広く活用していただけると考えます。

    また、本市が進める地産地消や学校給食との連携を図ることで、

    「給食 → 堆肥 → 農業 → 給食」

    という地域循環の仕組みを構築することも可能です。

    これは循環型社会の実現だけでなく、子どもたちへの環境教育や食育にもつながる有意義な取組になると考えます。

    学校給食残渣、未利用農産物及び剪定枝等を活用した「郡山循環堆肥事業」の創設について、郡山市が調査研究し、モデル事業の実施を検討することを求めます。

  • (仮称)大滝山風力発電事業の施工は不可能

    8月5日に三河沢から小田までの林道を現地視察すると、この地域は沢沿いの狭い林道と急峻な斜面が連続する地形です。事業者は「施工可能」と説明していますが、このルートで159m級風車34基分の資材を安全に搬入できるという根拠を、具体的な道路設計図や安全解析を用いた説明を求めます。

    写真1 大滝山から小田までの林道を林道脇の沢水があふれて流れている。路面はぬかるみが激しく、流水が路面を横断または沿って流れているように見える。軽トラックが停車しているが、路面の安定性は高いとは言えない状態に見える。林道と沢が近接している。

    現状でも排水処理が十分でない箇所があるのではないか。大型重機や資材運搬車両が頻繁に通行した場合、路面損傷や土砂流出が拡大しないか、懸念される。

    写真2 大滝山から小田までの林道 岩盤が露出している。大小の岩塊が見られる。地表の土壌が薄い場所がある。

    岩盤掘削の難易度が高い可能性。

    風車搬入道路の拡幅に伴う発破や大規模掘削の必要性。

    掘削による斜面安定性への影響。

    写真3 大滝山から小田までの林道 、林道脇が急斜面となっている。谷側へ落ち込む地形が確認できる。倒木や堆積物が見られる。法面が不安定に見える箇所がある。

    道路拡幅時の法面崩壊リスク。

    重機や大型トレーラーの転落リスク。

    降雨時の土砂流出リスク。

  • 白紙撤回された栗子山風力発電事業(仮称)  

    栗子山風力発電事業(仮称)は、JR東日本エネルギー開発株式会社が山形県米沢市の栗子山南側で計画していた陸上風力発電事業です。

    主な計画概要は以下のとおりでした。

    所在地:山形県米沢市(栗子山南側山稜上)
    発電出力:最大34,000kW(34MW)
    風力発電機:最大10基
    対象区域面積:約260ha
    事業者:JR東日本エネルギー開発株式会社

    しかし、環境影響評価(アセスメント)の過程で、水環境、生態系、希少猛禽類(イヌワシやクマタカなど)への影響について国や自治体から様々な指摘が行われました。

    主な課題の一つは、イヌワシやクマタカなどの希少な猛禽類への影響です。事業予定地周辺では、これらの鳥が採餌や移動のために飛翔していることが確認されており、風力発電機との衝突や生息環境への影響が懸念されました。そのため、鳥類の行動をより詳しく把握するための追加調査や、専門家による再評価が求められました。

    また、工事に伴う大規模な造成も課題となりました。風車や管理道路を設置するためには切土や盛土が必要でしたが、土地改変の規模が大きいことから、土砂流出や濁水による河川環境への影響が懸念されました。環境省は、土地改変をできるだけ抑え、工事計画や対策を見直すよう求めています。

    さらに、事業区域内には自然度の高い植生が存在しており、一部が改変される計画となっていました。このため、植生分布の再確認や影響予測の見直し、改変面積の縮小なども求められました。

    こうした指摘に対応するためには、追加調査の実施だけでなく、調査結果を踏まえた風車配置や工事計画の見直し、環境保全措置の再検討が必要となる見込みでした。JR東日本エネルギー開発株式会社はこれらの対応内容を精査した結果、事業スケジュールの大幅な遅延とコストの増加が避けられず、事業の採算性を確保することが難しいと判断しました。そのため、2024年9月に開発検討を終了し、事業を取り止めることを決定しました。

    この事例は、再生可能エネルギーの導入を進める上で、地域の自然環境との調和や希少な生物の保全が重要な課題であることを示した事例として注目されています。

  • 八甲田山の(仮称)みちのく風力発電事業計画の撤回に学ぶ

    (仮称)大滝山風力発電事業は2018年の審議会で必要な事業面積は2500haであり、1200haは既に購入しており、残る1300haは公有地等であるため、林野庁の許可を得て進める予定と、事業者側の説明がありました。

     八甲田山の(仮称)みちのく風力発電事業は、事業予定地がほぼ全て「保安林」や「保護林」に指定されていたことから、市民団体や全国組織による法的な規制手続きと、規制強化の要望活動という2つの側面から反対運動が進められ、事業者に計画を撤回させることができました。

    計画を撤回に至るまでの林野庁に関連する経緯と論点は以下の通りです。(ご参考)

    1. 計画地における保安林・保護林のハードル

    事業者が開発を進める上で、林野庁の管轄する以下の規制が大きな障壁となりました。

    * ほぼ全域が保安林指定: 計画区域(約17,300ヘクタール)のほぼ全てが、水源涵養や土砂災害防止を目的とする保安林に該当していました。風車設置や巨大な資材を運ぶための道路建設には、林野庁(および都道府県)による「保安林解除」の許可が必須ですが、民間事業の公益性が保安林の持つ公益性を上回るかどうかが厳しく問われました。

    * 国有林と保護林の存在: 東北森林管理局(林野庁の地方支分部局)が管理する国有林内には、「八甲田山森林生物遺伝資源保存林」などの保護林や、野生動植物の移動経路となる「緑の回廊」が含まれており、開発による地形改変が認められにくい状況にありました。  

    2. 環境省・林野庁への「網の目」をめぐる交渉と指摘

    アセスメント(環境影響評価)の段階から、林野庁が定めた基準をベースに厳しい指摘が入りました。

    * 環境大臣意見での引用: 環境省が提出した大臣意見において、林野庁の「山地災害危険地区調査要領」に基づき、計画地が山腹崩壊危険地区などに該当することが明確に指摘されました。尾根沿いの広大な森林伐採や道路開発が災害リスクを著しく高めるとして、計画の抜本的な見直し(結果としての南側エリアの除外や基数半減)を迫られる法的な根拠となりました。  

    3. 市民団体・連絡会による林野庁への要望書提出

    事業の撤回前後、およびその後の再発防止に向けて、住民や環境団体が林野庁へ直接交渉・要望を行っています。

    * 「潜脱的行為」への規制強化要望: [全国再エネ問題連絡会]などの市民団体は林野庁に対し、「本来は厳格な審査が必要な『保安林解除』を経ずに、一時的な『保安林内作業許可』の手続きだけで風力発電の管理用道路を先行建設させてしまう現行運用の是正」を求める要望書を提出しました。

    * 法規制の隙間を埋める交渉: 八甲田山の事例をきっかけに、「道路改変が保安林審査の対象から外れるのは制度の趣旨に反する」として、林野庁に対して全国的な陸上風力発電への規制強化を直接働きかける運動へと発展しました。

    このように、林野庁との関係においては、事業者が「保安林解除のハードルを越えられない」と判断したこと、そして市民側が「保安林制度を正しく適用して乱開発を止めるよう林野庁に要望したこと」が計画撤回への強い牽制となりました。

  • 9年前に風力発電事業計画に警鐘を鳴らす・・・

    故吉川一男さんのお別れの会(2026年7月17日)に遺族の方から2017年7月5日発行の「三穂田町命と環境を守る会ニュース」を見せてもらいました。貼付のメモは遺族の方が書かれたもので、全く同感です。折しも同年2017年7月25日に(仮称)大滝山風力発電事業計画の配慮書が提出されています。

  • (仮称)大滝山風力発電事業をめぐる深刻な懸念

    2023年7月23日に石筵地区で行われた住民説明会より

     大滝山周辺で計画されている大規模風力発電事業について、2022年の知事意見・経産大臣意見では、眺望景観、生態系、水源涵養、災害リスクなど多岐にわたる重要な配慮事項が事業者に求められています。しかし、その後の住民説明会では、これらの論点が十分に説明されていないことが明らかになっています。

     とりわけ深刻なのは、地域住民が長年守り育ててきた大滝沢・二ッ森原生林への影響である。水源かん養保安林を含む区域で大規模な切土・盛土が行われれば、深沢の名水の水質悪化や濁水流出、土砂災害リスクの増大が懸念される。地域の生活と観光を支えてきた水の価値を考えれば、影響は計り知れません。

     また、絶滅危惧種クマタカをはじめとする生態系への配慮も不十分だ。営巣地調査の結果、飛行ルートと風車配置の関係、バードストライクのリスク評価、基数削減や配置変更などの代替案――いずれも行政意見で求められたにもかかわらず、住民説明会では具体的な説明がなされていません。

     さらに、工事車両の大量通行による交通安全の悪化、34基稼働時の低周波音の健康影響、強風時のブレード破損リスク、風車解体時の森林伐採や産廃処理の問題など、生活環境への影響も大きい。郡山市が掲げる「豊かな自然と水、魅力のある郡山」という理念とも明らかに矛盾します。

     大滝沢・二ッ森原生林を守る会は、こうした懸念を踏まえ、市に対し事業中止を強く求めている。福島市が先達山メガソーラー問題を受け「立地市町村長の同意」を国に提言したように、郡山市も住民の声に基づく明確な姿勢を示すべき時に来ている。

     私たちは、住民の安全と自然環境を守る立場から、行政意見で求められた説明が尽くされないまま計画が進むことに強く懸念を表明し、引き続き情報公開と住民参加の徹底を求めていきます。

    2023年7月23日 石筵地区事業説明資料より抜粋

    Bラインの工事概要

    計画の概要
    Bラインは当初の8基から7基に変更、上図はB-7の若干の位置変更を表している
    尾根を削り造成された風車ヤードの排水は西側に流す。管理用道路は盛土上に敷設されるが、20年経過後には風車は撤去されるが、風車ヤードは放置される。また、不要になった管理用道路も土砂にうずもれることになる。
    尾根を削って造られた風車ヤードから、雨水が短期間に深沢の上流に流れることになり、水質の劣化が危惧される。
    Bラインの原稿案(C案)は盛土の量が増えており、土砂崩れなどの危険性を増している。

    低周波の問題

    景観の問題

    石筵ふれあい牧場からのフォトモンタージュ、二ッ森から北のBラインの他、西側のAラインが見える
    熱海小学校石筵分校グランドからのフォトモンタージュ、二ッ森から南側のCラインが見える。大滝山のAラインはここからは見えない。

  • 深沢流域を視察して・・・

    (2026年7月6日午前)

     (仮称)大滝山風力発電の事業者と大滝沢・二ッ森原生林を守る会のご案内で、深沢流域の現地を視察しました、深沢の谷間は両側を急峻な斜面に囲まれた地形であり、特に東側は岩盤が大きく露出し、風化によって砕けている箇所が多数確認されました。地元住民からも「東側は雨が降ると土砂が崩れるのが早い」との証言があり、土砂流出リスクが極めて高いことが裏付けられました。ヒノキアスナロが植生する水源涵養保安林でもあることから、事業者は東側への風車設置を中止したとみられます。一方、西側斜面は東側に比べて傾斜が緩やかで、地元住民からは「水質が東側より良好である」とのことでした。その尾根上に風車の建設が計画されており、全域で34基の風車群が尾根上に並ぶ構造となっています。

    深沢(中間地点)の東側の急峻な斜面、地質は岩盤
    深沢(中間地点)の更なる上流
    風車設置個所(概略図)

     風車の配置は深刻な低周波音の問題を引き起こします。風車の低周波音が山肌で反射し、干渉しあい、増幅する可能性が高いと思われます。これは、動物や人間に健康影響を引き起こすことが危惧されます。

    風車の回転で発生する低周波が届く範囲(大滝沢・二ッ森原生林を守る会の独自調査)

     さらなる重大問題は、尾根上の地形は、岩盤が露出し、風化によって割れ目が多く、平坦地がほとんど存在しないため、風車の基礎工事は硬い岩盤を削って基礎を造ることになり、その困難さゆえに現実的ではありません。加えて、頂上まで大型クレーンやブレード輸送車両を搬入することは物理的に不可能であり、施工技術上の成立性は極めて低いと思われます。

     そして、風車の運転終了後(20年後)に基礎コンクリートが撤去されないということも大問題です。大滝山頂上のような岩盤地形で基礎の撤去工事を行うことは、山塊そのものを破壊する危険行為であるため、撤去は不可能です。結果として、巨大なコンクリートの構造物が永続的に山頂に残され、地下水の流路変化、凍結破砕による崩落増加、景観の不可逆的損失など、長期的な環境影響が避けられません。将来的に事業者が撤退した場合、残置された基礎は自治体の負の遺産となる可能性が高いのです。

     以上を総合すると、深沢流域および大滝山周辺における風力発電計画は、谷間地形における低周波音の増幅、大滝山頂上の施工不可能性、基礎撤去不能による長期的環境負荷など、重大な問題を抱えています。これらの点を踏まえ、事業者に対して詳細な地質調査、低周波シミュレーション、撤去計画の提示を求めるとともに、地域住民の健康と自然環境を守る観点から、計画の再検討を強く求めます。

    深沢沿いに林道を車で登り、アスナロの水源涵養保安林まで視察しました。

    深沢(中間地点)の西側の斜面
    石筵ふれあい牧場付近からのフォトモンタージュ(JR東日本エネルギー開発株式会社作成)
    林道は軽トラックがようやく通れる幅員
    クマ対策の花火を数発打ち上げた後、倒木などをチェーンソーで避けて進む
  • 桧山高原風力発電所を視察

    桧山高原風力発電所の風車は2,000kW×14基の規模です。その2倍以上の規模の大滝山風力発電事業は1基4,500kWの風車34基を建設する計画で、中山峠方面への谷を20基ほどの風車で囲むことになります、おそらく、この動画以上に、風車のブォーンブォーンという音が増幅され重なり、風景も殺伐とした印象になるのではないかと危惧しています。

  • 大滝山風力発電事業の中止を求める署名活動に御協力ください!

    下記のリンクより署名用紙をダウンロードのうえ、署名活動へのご協力をお願いいたします。

  • 住民説明会で浮き彫りになった「説明不足」と「行政意見の軽視」

    (仮称)大滝山風力発電事業 の事業説明会

     2024年5月17日、ユラックス熱海でJR東日本エネルギー開発㈱による「(仮称)大滝山風力発電」事業説明会が開催されました。参加された市民の証言から、2024年の説明会で何が起きたのかが明らかになっています。説明は約1時間半でした。しかし、2022年4月25日に経済産業省が公表した環境大臣意見で厳しく指摘された重要事項が、説明資料に記載されていないという重大な問題が浮き彫りになりました。
     行政意見が求めた論点は三つです。第一に、複数の生息が確認されているクマタカへの影響と生態調査の配慮です。しかし事業者は、生態調査の再実施について説明はなく、答えていません。第二に、二次林の生態系や水源かん養保安林への影響です。環境大臣意見では「現状計画では土工量が著しく多い」と明記され、設計の再検討を強く求めています。それにもかかわらず、事業者の回答は「最小化するよう検討している」と抽象的で、具体策は示されませんでした。第三に、磐梯朝日国立公園からの眺望景観への配慮です。行政意見は国立公園の眺望に重大な影響があると指摘していますが、説明会では石筵ふれあい牧場とJR中山駅からのフォトモンタージュのみで、本質的な検証は示されませんでした。
     ご参考までに、環境大臣の意見は、「本事業は、安達太良山の山頂からの眺望景観について、主要な眺望方向に34基の風力発電設備がスカイラインを切断し、複数尾根上に広範囲に視認され、また、磐梯山の山頂からの眺望景観についても、主要な眺望方向に22基の風力発電設備がスカイラインを切断し、稜線上に広範囲で視認されることから、これらの磐梯山の山頂及び安達太良山の山頂からの眺望に対する重大な影響が懸念される。」と述べています。
     また、一部で「ヤジで説明が妨害された」との言説がありますが、市民証言では明確に否定されています。説明中に妨害はなく、事業者側が「ご理解をいただいている」と述べた後、参加者が「石筵地区は反対決議を出している」と事実を述べただけです。その後、質疑が続いていたにもかかわらず、事業者側が「時間切れ」として退出し、これに対する抗議の声が上がったものです。
     さらに、石筵地区で2023年に行われた説明会での住民質問にも、事業者は「調べています」と答えたまま、いまだ返答がありません。説明責任は果たされていないと言えます。
     私たちは行政意見の徹底反映、情報公開、住民参加の保障、そして丁寧な説明を市と事業者に強く求めていきます。