水と緑がきらめく郡山

  • 大滝山風力発電事業 その3

    大滝山風力発電事業 ― 住民説明会で浮き彫りになった「説明不足」と「行政意見の軽視」

     2024年5月17日、ユラックス熱海でJR東日本エネルギー開発㈱による「(仮称)大滝山風力発電」事業説明会が開催されました。参加された市民の証言から、2024年の説明会で何が起きたのかが明らかになっています。説明は約1時間半、説明者は同社開発部次長の武藤吉昌氏でした。しかし、2022年4月25日に経済産業省が公表した環境大臣意見で厳しく指摘された重要事項が、説明資料に記載されていないという重大な問題が浮き彫りになりました。
     行政意見が求めた論点は三つです。第一に、複数の生息が確認されているクマタカへの影響と生態調査の配慮です。しかし事業者は、生態調査の再実施について説明はなく、答えていません。第二に、二次林の生態系や水源かん養保安林への影響です。環境大臣意見では「現状計画では土工量が著しく多い」と明記され、設計の再検討を強く求めています。それにもかかわらず、事業者の回答は「最小化するよう検討している」と抽象的で、具体策は示されませんでした。第三に、磐梯朝日国立公園からの眺望景観への配慮です。行政意見は国立公園の眺望に重大な影響があると指摘していますが、説明会では石筵ふれあい牧場とJR中山駅からのフォトモンタージュのみで、本質的な検証は示されませんでした。
     ご参考までに、環境大臣の意見は、「本事業は、安達太良山の山頂からの眺望景観について、主要な眺望方向に34基の風力発電設備がスカイラインを切断し、複数尾根上に広範囲に視認され、また、磐梯山の山頂からの眺望景観についても、主要な眺望方向に22基の風力発電設備がスカイラインを切断し、稜線上に広範囲で視認されることから、これらの磐梯山の山頂及び安達太良山の山頂からの眺望に対する重大な影響が懸念される。」と述べています。
     また、一部で「ヤジで説明が妨害された」との言説がありますが、市民証言では明確に否定されています。説明中に妨害はなく、武藤氏が「ご理解をいただいている」と述べた後、参加者が「石筵地区は反対決議を出している」と事実を述べただけです。その後、質疑が続いていたにもかかわらず、事業者側が「時間切れ」として退出し、これに対する抗議の声が上がったものです。
     さらに、石筵地区で2023年に行われた説明会での住民質問にも、事業者は「調べています」と答えたまま、いまだ返答がありません。説明責任は果たされていないと言えます。
     日本共産党郡山市議団は、行政意見の徹底反映、情報公開、住民参加の保障、そして丁寧な説明を市と事業者に強く求めていきます。

  • 大滝山風力発電事業 その2

    大滝山風力発電事業――知事意見にも反する“説明不足”と、国の厳しい評価が示す深刻な問題

    大滝山・二ッ森周辺で計画されている大規模風力発電事業をめぐり、2022年に示された知事意見と経済産業大臣意見は、いずれも極めて厳しい内容でした。水源涵養保安林の伐採、大規模な切土・盛土、生態系への影響、土砂災害リスク、景観への影響など、多岐にわたる重大な懸念が指摘され、事業者には「抜本的な見直し」が求められています。

    特に知事意見では、環境影響評価図書について「縦覧期間終了後もインターネットで閲覧可能とすること」と明記されています。しかし現状、大滝山風力発電事業の準備書・要約書・説明資料はウェブ上に一切公開されていません。住民が内容を確認できない状態は、知事意見の趣旨に反する不適切な対応であり、情報公開と住民参加の原則を損なう重大な問題です。

    一方、経産大臣意見書では、土工量が「著しく多い」、水源涵養保安林への影響が大きい、生態系への影響が重大など、事業計画そのものに根本的な問題があると指摘されています。特に「改変区域が大きく変わる場合は再評価を行うべき」との文言は、事実上「このままでは認められない」という国の姿勢を示すものです。

    こうした厳しい行政意見があるにもかかわらず、住民説明会では水源への影響、クマタカなど希少種の保全、生活環境への影響など、行政意見で求められた重要項目について十分な説明が行われていません。市民からは「なぜ行政意見が反映されていないのか」「なぜ資料が公開されないのか」という声が相次いでいます。

    さらに、大滝山だけでなく、そして会津側の背炙り山でも高さ200mの巨大風車を50基建てる巨大風力発電計画が進行しており、8900筆の反対署名が会津若松市に届けられていますが、猪苗代湖を取り巻くように風車が林立する巨大風力ベルト化が危惧されています。磐梯山からの眺望が大きく損なわれる可能性も否定できません。

    私たち日本共産党郡山市議団は、知事意見に反する情報非公開の問題、国の厳しい評価、そして地域全体の自然と景観への影響を市民に正確に伝え、市に対して説明責任と住民参加の徹底を強く求めていきます。

  • 大滝山風力発電事業 その1

    大滝山風力発電事業をめぐる深刻な懸念

     大滝山周辺で計画されている大規模風力発電事業について、2022年の知事意見・経産大臣意見では、眺望景観、生態系、水源涵養、災害リスクなど多岐にわたる重要な配慮事項が事業者に求められています。しかし、その後の住民説明会では、これらの論点が十分に説明されていないことが明らかになっています。

     とりわけ深刻なのは、地域住民が長年守り育ててきた大滝沢・二ッ森原生林への影響である。水源かん養保安林を含む区域で大規模な切土・盛土が行われれば、深沢の名水の水質悪化や濁水流出、土砂災害リスクの増大が懸念される。地域の生活と観光を支えてきた水の価値を考えれば、影響は計り知れません。

     また、絶滅危惧種クマタカをはじめとする生態系への配慮も不十分だ。営巣地調査の結果、飛行ルートと風車配置の関係、バードストライクのリスク評価、基数削減や配置変更などの代替案――いずれも行政意見で求められたにもかかわらず、住民説明会では具体的な説明がなされていません。

     さらに、工事車両の大量通行による交通安全の悪化、34基稼働時の低周波音の健康影響、強風時のブレード破損リスク、風車解体時の森林伐採や産廃処理の問題など、生活環境への影響も大きい。郡山市が掲げる「豊かな自然と水 魅力のある郡山」という理念とも明らかに矛盾します。

     大滝沢・二ッ森原生林を守る会は、こうした懸念を踏まえ、市に対し事業中止を強く求めている。福島市が先達山メガソーラー問題を受け「立地市町村長の同意」を国に提言したように、郡山市も住民の声に基づく明確な姿勢を示すべき時に来ている。

     私たち日本共産党郡山市議団は、住民の安全と自然環境を守る立場から、行政意見で求められた説明が尽くされないまま計画が進むことに強く懸念を表明し、引き続き情報公開と住民参加の徹底を求めていきます。

  • 大滝山風力発電計画について日本共産党神山悦子県議が質問

    2026年2月県議会での神山悦子県議の総括質問より抜粋

    大滝山風力発電計画について


    神山委員
     JR東日本エネルギー開発株式会社は、郡山市熱海町と猪苗代町にまたがる大滝山の稜線に、風力発電機35基、 1万3千Mのメガ風力発電を計画しています。
     郡山市熱海町は、磐梯熱海温泉や名水を利用したそばなどがある観光地です。地元住民からも、建設反対・中止を求める要望書が郡山市に提出されています。実の環境影響評価書の知事意見にもあるように、「緑の回廊」がある(仮称) 大滝山風力発電事業については、飲み水や自然環境への影響が懸念されるため、計画中止を国に求めるべきですが、県の考えを尋ねます。

    生活環境部長
     (仮称)大滝山風力発電事業につきましては、環境影響評価法に基づく手続の中で、地元自治体の意見を踏まえ、国や事業者に対して、自然環境保全への十分な配慮等を求める意見を述べてきたところでおります。
     事業者においては、こうした意見を踏まえ、適切に対応していただきたいと考えております。

    神山委員 
     福島市の馬場市長は、昨年12月23日、国に対し、先達山のメガソーラー問題で明らかになった教訓を踏まえた施策や制度とするよう提言・要望書を提出しています。
     大規模再エネ電設備を規制する条例を制定すべきと思いますが、県の考えを尋ねます。

    企画調整部長
     再エネ発電事業につきましては、関係法令等を遵守し、地元の理解の下、安全や環境、景観に十分に配慮し、実施されることが重要であります。そのため、国において、地域と共生した再エネ導入を促進するため、法令を改正し、制度的な対応が図られており、当該制度が適切に運用されることが重要と考えております。

  • (仮称)大滝山風力発電事業の中止を求める運動について

    大滝沢・二ッ森原生林を守る会について

    大滝沢・二ツ森原生林を守る会は、郡山市の石筵地区で(仮称)大滝山風力発電事業の計画に反対する運動を進めています。リンクからアクセスしてご覧ください。なお、同会が事業計画に反対する理由についてもご紹介しています。

    全国再エネ問題連絡会 – 自然破壊を伴う再エネ開発に取り組む住民団体のネットワーク

    全国でも風力発電の問題が大きく取り上げられています。全国再エネ問題連絡会のサイトをご覧ください。

    尾根筋風力発電は国土を破壊する

    メガソーラーによる森林破壊が問題になり、規制が本格化されています。しかし、森林破壊の影響は尾根筋に建設される巨大風車郡の方がはるかに大きく、流域全体や海まで影響する大環境破壊になります。 尾根筋風力発電にも開発規制を! 山梨大学名誉教授の鈴木先生にわかりやすく解説している動画をご覧ください。

    「知事意見」と「配慮書に対する経済産業大臣意見」について

    2022年3月の知事意見、2022年4月の「配慮書に対する経済産業大臣意見」では森林や絶滅危惧種、水質の保全等について、適正と思われる意見が提示されています。事業者側がその意見に忠実に従うならば、事業を中止せざるをえないのでは?と考えます。(遠藤 隆)

    知事意見

    配慮書に対する経済産業大臣意見

    (仮称)大滝山風力発電事業計画について

    同事業計画の概要及び進捗については、福島県のウェブページより抜粋してご紹介します。

    事業者 :JR東日本エネルギー開発株式会社 磐栄運送株式会社
    事業の実施区域: 郡山市と猪苗代町の行政界付近に位置する大滝山を含む山稜上
    事業の規模: 出力最大136,000kW(定格出力4,300kWの風力発電機を35基設置)

    同事業の進捗状況は以下のとおりです。

    • 配慮書(2017):意見33件
    • 方法書(2018):説明会4回
    • 準備書(2021):コロナで説明会中止 → 縦覧期間延長
    • 知事意見(2022):通知済み
    • 評価書:未公告(=まだ最終確定していない)

    郡山市は昨今のクマ出没と被害について、一連の風力発電事業による「緑の回廊」の棄損に起因するものかどうかを、福島県の自然保護課に調査を要望すべきである。

    ご参考 評価書が出るまで住民・自治体ができること

    段階目的住民・自治体ができること重要度
    配慮書立地の妥当性の初期検討立地そのものへの意見★★★★★
    方法書調査方法の決定調査範囲・方法の指摘★★★★☆
    準備書調査結果+影響予測具体的な影響への意見★★★★★
    知事意見県の公式評価市として県に要望可能★★★☆☆
    評価書最終版ほぼ意見不可★★☆☆☆